多くのWeb分析は「アクセス解析」から始まります。
インコンフォルメは違います。経営とビジネスの理解から分析をスタートします。
Webサイトは「見てもらうもの」ではなく、経営目標を達成するためのツールだからです。
アクセス数やPVをいくら眺めても、「で、売上にどう影響しているのか?」が見えなければ意味がありません。インコンフォルメでは、Webサイトを「勘」や「Web指標」ではなく、経営視点のデータで分析します。
Webサイト現状分析の全体像
- STEP1:
ビジネス理解・メッセージ整理 - STEP2:
経営データ分析 - STEP3:
集客の質分析 - STEP4:
ユーザー行動分析 - STEP5:
サイト構造・コンテンツ分析
経営 → ビジネス → 集客 → 行動 → サイトの順序で分析します。
この順序にはインコンフォルメの信念が込められています。「サイトのどこを直すか」を考える前に、まず「このビジネスは何を目指しているのか」を理解する。ゴールが明確でなければ、どんな分析も改善も的外れになるからです。
STEP1:ビジネス理解・メッセージ整理
目的:クライアントのビジネスを経営視点で把握する
インコンフォルメでは、Webサイト分析の最初に経営者インタビュー(約3時間)を行います。
「3時間は長すぎないか」と思われるかもしれません。しかし、表面的なヒアリングで「なんとなく理解した気になる」方がはるかに危険です。ビジネスの核心を掴まなければ、その後のすべての分析と改善が的外れになります。
インタビューで把握すること
| 項目 | 把握する内容 |
|---|---|
| ビジネスモデル | どうやって利益を出しているのか、利益構造はどうなっているのか |
| 強みと弱み | 他社にない価値は何か、正直に認めるべき弱点は何か |
| 他社との違い | なぜお客様は御社を選んでいるのか(選ばれる理由の言語化) |
| サービスの価値 | お客様が本当に求めているものは何か(機能ではなく価値) |
| ビジネス上の競合 | 検索上の競合ではなく、実際のビジネスで競り合う相手は誰か |
| 経営目標 | 1年後にどうなっていたいのか(売上・問い合わせ・採用など) |
| ターゲット | 誰に届けたいのか、その人はどんな悩みを持っているのか |
なぜSTEP1が最も重要なのか
一般的なWeb制作会社の分析は、GA4やサーチコンソールの数字から始めます。しかし、数字だけを見ても「このキーワードで上位表示されるべきか」「この問い合わせは質が高いのか」は判断できません。
たとえば、月間100件の問い合わせがあっても、そのうち成約につながるのが2件なら、集客の方向性自体が間違っている可能性があります。この判断は、ビジネスモデルと利益構造を理解していなければ下せません。
インタビュー内容の二次活用
ここで得たビジネスの深い理解は、分析だけに使うのではありません。今後のサイトのコンテンツ作り(コピーライティング、事例ページ、FAQ、ブログ記事など)すべての土台になります。
経営者の言葉で語られた「強み」や「想い」は、最も説得力のあるコンテンツの素材です。
STEP2:経営データ分析
目的:Webサイトのビジネスへの貢献度を把握する
インコンフォルメでは、Webサイトの成果を検索順位やアクセス数といったWeb指標だけで判断しません。
サイトの価値はKPI(中間指標)ではなくKGI(経営成果)で評価します。
KPIとKGIの違い
| KPI(中間指標) | KGI(経営成果) | |
|---|---|---|
| 例 | アクセス数、PV、検索順位、CVR | 売上、問い合わせ数、成約率、顧客単価 |
| 問題 | 「数字が上がった」と報告されても、経営にどう影響しているか不明 | 経営判断に直結する |
| インコンフォルメの考え | プロが管理すべき途中経過 | 経営者が見るべき最終ゴール |
確認する経営データ(社内の実数値)
- 売上データ
Webサイト経由の売上はいくらか - お問い合わせ数
月に何件来ているか - お問い合わせ内容
見込み客からの相談か、的外れな問い合わせか - 成約率
問い合わせのうち何件が成約しているか - 顧客単価
Webサイト経由のお客様の単価はいくらか - リピート率
Webサイト経由のお客様はリピートしているか
「穴の空いたバケツ」を見抜く
STEP2の分析で最も重要なのは、「穴の空いたバケツに水を注いでいないか」を確認することです。
広告費をかけてアクセスを集めても、サイト自体が問い合わせを獲得する力を持っていなければ、集めたアクセスは素通りして終わります。
具体的な数字で見ると:
- 改善前
月間1,000アクセス × CVR 0.5% = 月5件の問い合わせ - 広告でアクセス2倍
月間2,000アクセス × CVR 0.5% = 月10件(広告費は毎月かかり続ける) - CVRを改善
月間1,000アクセス × CVR 2.0% = 月20件(改善は資産として残る)
まず受け皿(サイト)を整えてから、水(集客)を流す。この順番を経営データから見極めます。
STEP3:集客の質分析(アクセス分析)
目的:Webサイトに見込み客が来ているのかを把握する
インコンフォルメでは、Webサイトの集客力をアクセス数だけで評価しません。
重要なのは「どれだけアクセスがあるか」ではなく、「そのアクセスが見込み客かどうか」です。月間10,000PVあっても、見込み客が100人しかいなければ、残りの9,900人分のアクセスはビジネスに貢献していません。
つまり、アクセスの“量”ではなく”質”を分析します。
3つのツールとその役割
① Google Analytics(GA4)
「ユーザーがサイト内でどれだけ真剣に関わっているか」を測定します。
| 指標 | 見ていること |
|---|---|
| エンゲージメント率 | 訪問者のうち、何%が「意味のある行動」をとったか(10秒以上滞在、2ページ以上閲覧、またはコンバージョン発生) |
| 平均エンゲージメント時間 | ユーザーが実際にページを「見ていた」時間(タブを開いているだけの時間は含まれない) |
| キーイベント(コンバージョン) | 問い合わせ・資料請求・電話クリックなど、ビジネス成果に直結するアクション |
Googleの検索順位を左右するNavboostシステムは、ユーザーの行動データ(クリック後の滞在・回遊)を過去13ヶ月にわたって追跡・学習しています。つまり、エンゲージメントの質はSEOにも直結します。
② Google Search Console(サーチコンソール)
「検索エンジンからどう見られているか」を測定します。
| 指標 | 見ていること |
|---|---|
| 検索クエリ | ユーザーがどんな言葉で検索して御社のサイトにたどり着いているか |
| 表示回数 | 検索結果に御社のサイトが何回表示されたか |
| CTR(クリック率) | 表示された中で、何%がクリックされたか |
| 掲載順位 | 各キーワードでの平均掲載順位 |
ここで確認するのは、「検索キーワードとビジネスの一致度」です。STEP1で把握したターゲットが実際に検索しそうなキーワードでアクセスが来ているかを照合します。
③ Ahrefs(エイチレフス)
「競合と比べて自社がどこに立っているか」を測定します。
| 指標 | 見ていること |
|---|---|
| ドメイン評価(DR) | サイト全体の権威性スコア(競合との相対比較) |
| 被リンク | 他サイトからどれだけ参照されているか(量と質) |
| 検索流入キーワード | 競合がどんなキーワードで集客しているか |
| コンテンツギャップ | 競合にあって自社にないコンテンツ領域 |
競合分析をしないWeb運用は、地図を持たずに航海するようなものです。
自社のアクセスが月5,000PVでも、同業の競合が月50,000PVを獲得していれば、本来獲得できたはずの見込み客の大半が競合に流れていることになります。
STEP4:ユーザー行動分析(行動データ分析)
目的:ユーザーがどこで迷い、どこで離脱しているのかを把握する
GA4のデータだけでは、「何が起きているか(数字)」はわかっても、「なぜ起きているか(理由)」はわかりません。
インコンフォルメでは、実際のユーザー行動を可視化することで、数字の裏にある「ユーザーの心理」を読み解きます。
Mouseflow(マウスフロー)によるユーザー行動の可視化
2週間〜1ヶ月分のデータを取得し、以下の分析を行います。
セッションリプレイ分析
ユーザー行動の録画データを1件ずつ確認します。
| 観察ポイント | 見えてくること |
|---|---|
| マウスカーソルの動き | ユーザーが何に注目しているか、どこで迷っているか |
| クリック行動 | 押せないところをクリックしていないか(デッドクリック)、CTAが見つけられているか |
| スクロール深度 | ページのどこまで読まれているか、重要な情報が読まれずにスルーされていないか |
| ページ遷移 | 想定通りの導線を辿っているか、離脱ポイントはどこか |
ヒートマップ分析
ページ全体のクリック分布・注目度・スクロール到達率を視覚化し、多数のユーザーに共通する行動パターンを把握します。
なぜユーザー行動の可視化が必要なのか
たとえば、あるページの離脱率が80%だったとします。GA4の数字だけでは「離脱率が高い」としかわかりません。
しかし、セッションリプレイを見ると:
- ファーストビューで「何の会社かわからない」ため3秒で離脱している
- CTAボタンが画面の下にあり、スクロールせずに帰っている
- フォームの入力項目が多すぎて、途中で諦めている
- スマホで見ると文字が小さすぎて読めない
このように、「何を直せば改善するか」の具体的な手がかりが得られます。
アクセスデータだけでは見えなかった「ユーザーがサイト内で何をしているか」を、映像として確認できるのがSTEP4の価値です。
STEP5:サイト構造・コンテンツ分析
目的:Webサイトがどれだけ機能しているかを把握する
STEP1〜4で「ビジネスの目標」「経営への貢献度」「集客の質」「ユーザー行動」を把握した上で、最後にサイトそのものの分析に入ります。
独自チェックリスト「Webサイト改善施策100」による診断
インコンフォルメでは、29年のWeb運用実績から体系化した独自のチェックリストでサイトを診断します。
10テーマ × 各10項目、合計100の観点でサイトを評価します。
| テーマ | チェック内容の例 |
|---|---|
| ファーストビュー | 3秒以内に「何の会社か」「何ができるか」が伝わるか |
| コピーライティング | 機能説明ではなく、ターゲットの悩みに寄り添った言葉になっているか |
| CTA(行動喚起) | 問い合わせボタンの文言・配置・デザインは適切か |
| フォーム | 入力項目は最小限か、離脱要因になっていないか |
| 表示速度 | モバイル・PCともに3秒以内に表示されるか |
| スマホ対応 | スマホで見たときに読みやすく、操作しやすいか |
| 回遊設計 | 関連ページへの導線があり、ユーザーが自然に情報を深掘りできるか |
| SEO | タイトル・見出し・構造化データ・内部リンクは最適化されているか |
| 信頼性 | 実績・お客様の声・専門性の裏付けが十分に示されているか |
| データ分析基盤 | GA4・サーチコンソールが正しく設定され、正確なデータが取れる状態か |
競合サイトも同様に分析する
クライアントサイトだけでなく、競合サイト(ビジネス競合・検索競合)のサイト構造やコンテンツも同様に分析します。
- ビジネス競合
実際のビジネスで競り合う相手のサイト - 検索競合
同じキーワードで検索上位を争う相手のサイト
競合サイトを分析することで、「業界標準はどのレベルか」「どこで差別化できるか」「競合にあって自社にないコンテンツは何か」が明確になります。
5ステップ分析の後に見えるもの
この5ステップの分析を終えると、以下が明確になります。
- 現在地
Webサイトは今、経営にどれだけ貢献しているか(していないか) - 課題
なぜ成果が出ていないのか、ボトルネックはどこにあるか - 優先順位
何から手をつければ最も効果が出るか - ロードマップ
12ヶ月でどのような改善を、どの順番で進めるか - KGI
1年後に達成すべき経営目標の数値
ここから、インコンフォルメの「攻めのホームページ運用」が始まります。
分析→仮説→改善→検証のPDCAを毎月回し、先月より今月、今月より来月、確実にサイトを経営資産へと育てていきます。
なぜ「経営→ビジネス→集客→行動→サイト」の順序なのか
この分析の順序は、インコンフォルメがCMO(最高マーケティング責任者)の視点でWebサイトを捉えていることの表れです。
| 視点 | 一般的なWeb分析 | インコンフォルメの分析 |
|---|---|---|
| 出発点 | サイトのアクセスデータ | 経営者のビジネスとゴール |
| 評価基準 | KPI(PV・順位・CVR) | KGI(売上・問い合わせ・成約率) |
| 判断軸 | 「数字が良いか悪いか」 | 「経営目標に近づいているか」 |
| 提案の方向性 | 「このページを修正しましょう」 | 「この経営課題を解決するために、サイトをこう変えましょう」 |
「ホームページの中身」の話で完結するのではなく、ビジネス全体の中でのホームページの役割から分析を設計する。
これが、29年間ホームページ運用に特化し続けてきた代表・小南邦雄のノウハウが詰め込まれた、インコンフォルメ式の分析フレームワークです。
